みらい図鑑

VOL.211「鹿革の名刺入れ」

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社会人の必須アイテムのひとつ、「名刺入れ」。
その素材はさまざまですが、今回、注目するのは「鹿革」です。

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北海道にある、鹿の革製品を製造する会社「レザレクション」。

一流ハンターが狩猟した鹿は、
新鮮で高品質な革を保つため、二時間以内に冷凍保存、
解体から縫製まで、全ての工程を自社で手掛けています。

現在、日本に流通している皮革は、ほとんどが海外産という現状のなか、
数少ない国内一貫生産の会社です。

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「レザレクション」、代表の林徹さんに伺いました。

「いま、日本全体で鹿が増えすぎたため、害獣としての問題を抱えています。
年間に60万頭近くが獲られているんですが、
そのうちの9割以上は、廃棄されている現状があります。
鹿革というものは、しなやかを長い間保って、水にも強く、
お手入れもいらなくてずっと使える、凄く良い革なんです。」

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家族ができて、東京から北海道に移住した林さん。

肉を食べるということは、“命を頂いている”ということに改めて気付き、
その後、狩猟免許を取って山に入るようになりました。

自分が仕留めた鹿を頂いた時、
“ありがとう”という気持ちと、鹿に対する責任を感じたといいます。

そこから鹿について勉強していくなかで、狩猟後、多くが廃棄処分になっていることを知り、
なんとかして、良いサイクルを生みだせないかと、
革製品づくりをスタートさせました。

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「きちんと処理・管理をして、良いものとして使っていただくお客様にも喜んでもらい、
鹿の命も大事にしたいと思っています。
一生ものというか、それ以上、たとえば、お子さんやお孫さんまで使っていただけるような、
想いを乗せられる商品になっていると思います。」

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100%国産にこだわり、
日本の未来も考えて作られる「レザレクション」の鹿革製品。

そのバックボーンを知ることは、
命から頂いた素材を人間が活用する意味を知ること。

鹿への感謝の気持ちを忘れることなく、大事に長く使っていきたいアイテムですね。