みらい図鑑

VOL.227「中津箒」

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掃除用具としておなじみの「箒(ほうき)」。

かつて、箒の一大産地として栄えた地域があります。
神奈川県にある自然豊かな町、愛川町中津(なかつ)。

“ホウキモロコシ”というトウモロコシを使って作られるこの町の箒は、
「東京箒(とうきょう・ほうき)」と呼ばれ、全国に大規模出荷されていました。

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その全盛期は大正期から昭和20年頃まで続きましたが、
昭和30年代後半以降、
電化製品の登場によって、愛川町の箒は衰退。

ですが、現在、箒づくりの文化を復活させようと、新たな取り組みが始まっています。

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箒づくり復活の仕掛人、
「まちづくり山上(やまじょう)」、代表の柳川直子(やながわ・なおこ)さんのお話です。

「“こんなにたくさんトウモロコシを畑に作って、一体なんだろう?”と。
材料は、学名で“ホウキモロコシ”というんですね。
それを育てるわけですが、畑を耕して、種まきをして1本ずつ収穫して、
頃合いの良いところを見計らってね。
それを乾燥して、職人が箒の形に組み立てていくわけですね。
もちろんデザイン性とかも考えます。」

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柳川さんが「まちづくり山上」を立ち上げたのは、2003年。

材料となるホウキモロコシの確保や職人探しから始まり、
自宅の蔵を改装し、箒博物館「市民蔵常右衛門」をオープン。
そこに、ホウキモロコシづくりの担い手や、職人たちが集まりました。

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1本1本、手作りで仕上げられていく箒は、
地域の名前をとって、「中津箒(なかつ・ほうき)」と命名されました。

その評判を、柳川さんはこんな風に語ります。

「身近にないから、こんなに軽くてしなやかなのか、と驚かれますよね。
お気に入りになってきます。
10年経ったときの自分の使い方が、その姿を見ていると、
乱暴だったなとか、雑だったなとか、丁寧だったなとか、
それがすべて見られるので、とても良いと思います。」

10年後の自分が投影される箒。
ちょっと背筋を伸ばそう、、という気持ちになれるのも素敵ですね。