みらい図鑑

VOL.236「さがジビエ」

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増えすぎた野生のシカやイノシシが山からおりてきて、
畑の農産物を荒らしてしまう鳥獣被害。

日本各地で大きな問題となっています。

ヨーロッパでは、狩猟で得た野生鳥獣を食肉とする「ジビエ」が古くから根付いていますが、
日本で注目されるようになったのは、近年になってから。

野生動物を捕獲しようにも、ハンターの高齢化が進み、
捕らえたとしても、食用として活用されているのは、わずか数パーセント。
ほとんどが、廃棄物として処理されているのが現状です。

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野生動物は臭みがあって硬いという、昔ながらのイメージを持っている人が多いなか、
そんな固定観念を払拭するべく、
ジビエの美味しさを伝えようという取り組みが、全国で次々と生まれています。

佐賀県にある会社、「鶴商興産」で製造しているのは、
佐賀県産の猪肉だけを使った、「さがジビエソーセージ」。

独特の臭みもなく、無添加・無着色にこだわっています。

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開発と販売を手がける会社、
「鶴商興産」、代表の坂本竜一(さかもと・りょういち)さんに伺いました。

「ソーセージを作ろうと思ったきっかけは、
ソーセージとかではない普通の猪肉を食べた時に、
自分が今まで思い描いていた猪の味とは、かけ離れるぐらい美味しかったんですね。
それをどうやったら食べてもらえるか、考えた時にたどり着いたのがソーセージでした。」

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佐賀県は、鳥獣被害の深刻な場所のひとつ。
平成30年度は、約22,000頭のイノシシが駆除、処分されたといいます。

「鶴商興産」では、多くのハンターから、
イノシシ被害の現状や、駆除されたイノシシの活用状況などを聞き、
厄介者扱いされているイノシシを資源に変えることで、
佐賀の環境保全につなげようという取り組みをおこなっています。

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私たちの“食の日常”として、ジビエの可能性に着目する坂本さん。

「普通に美味しいんですよ。
ケモノ臭さがあるとか、血の味がするといったものではなく、
きちんと処理されたものは、臭いもなく硬くないので、
牛や豚にひけをとらない味になりますね。」

低カロリーで高タンパクなジビエ。
「さがジビエソーセージ」をきっかけに、
ジビエへの理解が多くの人に広まるといいですね。