VOL.237「つよいこグラス」
愛知県岩倉市に本社を構える、「石塚硝子」。
創業から200年という老舗のガラスメーカーですが、
さまざまな製品を手掛ける中で、ひときわ目を引くのは、
こども向けの「つよいこグラス」というガラスのコップです。
こどもが安心して使えるように、細かい工夫が盛り込まれている「つよいこグラス」。
一番の特徴は、その形状です。
小さな手でも持ちやすいように、
中ほどがひょうたんのように、くびれたデザインになっています。
グラスの容量は、こどもの飲み切りサイズ。
さらに、安全面への配慮も万全です。
業務用の食器などに使われるものと同じ強化加工が施されていて、
通常のグラスよりも、割れにくい仕上がりになっています。
「やっぱりどうしてもガラスというのは、
子供から遠ざけたい、というのが、親の正直な気持ちですよね。
ですが、落とすと割れる、ということを知ることって言うんですか、
それを教えることも、物を丁寧に扱うことも、伝えていくことは食育につながります。」
そう語るのは、開発を担当した、伊藤裕之(いとう・ひろゆき)さん。
「ガラスは、やっぱり天然素材ですから、地面に埋めておけば、
どんどん自然に還っていきます。
それを小さい頃から触らせたいということで、
自分の子供の子育てに対して、すごく熱心に考えていらっしゃる方が、
“つよいこグラス”にたどりつくようです。」
ガラスの器でこどもの感性を磨いて欲しい、と話す伊藤さん。
「ジュースや牛乳を、樹脂から飲むよりも、グラスで飲む方が美味しいんだって、
こどものときから、唇で知っていただくといいますか。
ぜひ、お子さんに使っていただきたい、というのが、私の気持ちですかね。」
コップだけでなく、
ちょっとしたデザートなどを入れられる「つよいこボール」もある、
「つよいこグラス」シリーズ。
彩りや味わいを通じて、食事の楽しさを知り、心を豊かにする「器」。
安心安全の設計でつくられたガラスの器は、
こどもの食育に大事なアイテムとなりそうですね。