みらい図鑑

VOL.255「フラワーロスで作るアクセサリー」

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コロナによって、行き場を失ったもの。
そのひとつが「花」。

イベントや行事などの中止が相次ぐなか、花の需要が減り、
きれいなのに廃棄されてしまうという状況が続いています。

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そんな花を有効活用しようと、
廃棄される花を加工し、アクセサリー作りのデザインを手掛けているのが、
クリエイティブユニットの「カエルデザイン」。

まず、一枚一枚、花びらをはがしてドライフラワーにしてから、
樹脂コーティングを施して、イヤリングやネックレスなどに生まれ変わらせます。

この作業をおこなっているのが、石川県金沢市にある、
リハビリ型の就労スペース、「リハス」に通うメンバーです。

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“クリエイティブな力で、
もっと世の中に貢献できることがあるんじゃないかと思っていた。“

そう話すのは、「カエルデザイン」のクリエイティブディレクター、
高柳 豊(たかやなぎ・ゆたか)さん。

デザインはできても、
それを実際に作る人がいないとモノづくりは成り立ちません。

誰に作ってもらいたいかを考えていた時、
縁あって、障害者の就労支援の施設と出会い、
その仲間たちと一緒にアクセサリーを作りたいと思った、と高柳さんは話します。

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「リハス」の合言葉は、“障がいがあっても稼ぐ”。

この理念に共感し、「一緒にアクセサリーを作ろう」と呼びかけた高柳さん。
こんな想いも語ってくれました。

「障がいをもつと、なかなか生きにくい世の中で、
そのなかで稼いでいくのはほんとうに難しい課題です。

内職的なことをやっても、
最初から最後まで、何かを完成させることが少ないと思うんです。

僕たちは、最初から最後まで、障害を抱えた方に作り上げていただいています。
その喜びって、うまく言えないんですが、
作ることと、心の喜びが、一体になっている気がするんです。
それがすごくいいな、と思っています。」

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「カエルデザイン」の挑戦は、環境に優しい、サステナブルな取り組み。

廃棄された花のほかにも、
海洋プラスチックによるアクセサリーもデザイン。「リハス」で作っています。

社会にも、地球にも優しく、そして、収益にもつながる。
この循環こそが大切なんですね。