VOL.287「ハンドスタンプアートプロジェクト」
東京芸術劇場で展示中のアート。
それは、6000人の手形が作る、“ひまわりの花”です。
手がけているのは、障害を抱える子どものお母さんたち、
3人の雑談がきっかけとなってスタートした、
「ハンドスタンプアートプロジェクト」。
“子どもたちの手形(ハンドスタンプ)を集めて、世界一、大きなアートを作る”
そんな想いに共感した仲間の輪が広がって、
7年で14万人の手形が集まりました。
「ハンドスタンプアートプロジェクト」の代表、
横山万里子(よこやま・まりこ)さんのお話です。
「もともと、病気や障害を抱える子どもたち、誰もができることはないか、
という発想から手形を選んだんですね。
2013年に活動をスタートして、
2020年の終わりの時点で、14万612枚の手形が集まりました。
最初は、三人のお母さんからスタートしたんですが、
その活動に共感していただいた方が参加してくれて、
世界中の子どもたちの手形が届きました。」
今回の展示は、集まった手形の中から、6000枚で製作したひまわり。
それを見て、「元気をもらった」という声がたくさん寄せられたと語る横山さん。
ひとつひとつにいろんな想いが込められた子どもたちの手形が、
いろんな人を元気にする力になっていると感じています。
「病院から出られない子どもや、
自分では絵を描いたりできないお子さんが押した手形で、
みんながつながって大きな絵になったことを、
すごく嬉しく感じている子がたくさんいます。
手形をひとつ押すことも大変な子どもたちも、チャレンジしてくれました。
今は空の上にいる子どもたちも、手形が残っていたら参加できるんです。
14万人、それぞれの想いが集まったんだなぁと感じています。」
プロジェクトの次の目標は、14万枚、全ての手形で大きな一枚の絵を作って、
いろんな形で見られるようにすること。
小さな手形でも、たくさんの人の手と手がつながれば大きな絵になり、
それは大きな力になる、と横山さんは考えています。
世界中の子どもたちの手形が咲かせた「ひまわり」のアート。
「東京芸術劇場」での展示は、9月12日までとなっています。