みらい図鑑

VOL.293「Re-食器」

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割れてしまったり、いらなくなった食器、皆さんは、どうしてますか?

燃えないゴミに出した場合、
その多くは埋められ、千年たっても土には還りません。

なかでも、陶磁器や焼き物は、
「陶土」という限りある天然の資源を原料としています。

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この貴重な天然資源を未来に残したい、と、
約20年前に始まったのが、食器のリサイクル、「Re-食器」。

不要な食器を回収し、再利用することで、
陶土を無駄に使わない、環境に優しいリサイクル食器を作る。

活動の中心となっているのは、
日本で作られる陶器のうち、6割を占める「美濃焼」の産地、
岐阜県・東美濃の生産者さんたちです。

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回収した使用済みの食器は、1ミリ以下になるまで粉砕。

そうやってできた“食器くず”を
従来の粘土に練りこんで「リサイクル土」を作り、
この土を使って、成型し焼くことで、「Re-食器」が生まれます。

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「Re-食器」を生産する会社のひとつ、
「市原製陶」の代表、金津 誉(かなづ・ほまれ)さんのお話です。

「届いた器は、粉の状態まで粉砕して、もともとの陶器になる土に、
ものによっては5割混ぜ込んで、また成型をしています。
少しでもゴミを減らして再利用できないかな、という想いでやっています。」

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埋め立てても循環していかない焼き物をどうやって循環させるか。
それが、「Re-食器」の原点。

焼き物を再利用して、また新たな焼き物を作ることは、
環境を守り、資源の有効活用にもつながります。

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「国内はもちろんですけど、
世界的にも、陶器のリサイクルをしている産地はあまりないので、
先駆けとして、
それこそ世界の器を再生する先端を走っていけたらと思っています。」

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美濃焼の産地で生まれた、食器のリサイクル。

壊れてしまった食器に、もう一度、命を吹き込む取り組み、、、
生産者さんたちの挑戦はこれからも続きます。