VOL.323「鳴門わかめの塩」

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日本で1000年以上の歴史を誇る食材、
徳島県鳴門市の「鳴門わかめ」。
世界最大級の渦潮で知られる鳴門海峡で育ったわかめの歯応えと上質な風味は、
長い間、特産品として、鳴門の経済を支えてきました。


そんな「鳴門わかめ」ですが、
海洋環境の変化で、流通できない規格外のわかめが増えているのが現状です。

美味しく食べられるのに商品にならない“わかめの現状”を変え、フードロスをなくしたい。
そんな想いから、鳴門わかめ一筋の地元老舗メーカー、「うずしお食品」が手掛けたのが、
「鳴門わかめのからだにやさしい塩」。
クラウドファンディングで、多くの支援を得て、
昨年から、オンラインショップでの販売が実現しました。

原料は、鳴門産の塩蔵わかめを製造する過程で出た、規格外のわかめだけ。
それをパウダー状に加工しています。
塩分は一般的な食塩の約半分。
わかめに含まれているミネラルは失わず、食物繊維も豊富です。

「鳴門わかめのからだにやさしい塩」を共同開発し、
四国の食材を扱う通信販売サイトの会社、「シーコックトモエ」の代表、
渡部智之(わたなべ・ともゆき)さんに伺いました。
「ほんとにわかめそのもの、100%なんですよね。
ほんのりわかめ風味で、塩のかわりに手軽に使ってもらえる感じです。
歴史のある鳴門わかめを、ひとつ違った形で、
みなさんに知っていただきたいと思っています。」

近年、海外からも注目されている、栄養価の高いわかめ。
これまで、わかめを好まなかったり、塩分が気になる人に、
特にお勧めしたい商品、と渡部さんは話します。
「わたしの家にも小さな子供がいるんですが、
たとえば、おにぎりに混ぜてみても美味しいと食べてくれます。
海外でも、少しずつ、ベジタリアンやビーガンの方々が増えてきている中で、
海藻の良さを知ってもらうきっかけにも、
なってもらえたらいいかなと思っています。」

「鳴門わかめのからだにやさしい塩」は、
廃棄されてしまうわかめの現状を変えるだけでなく、
世界中の人に鳴門の魅力を伝えるツールとしても、活躍してくれそうですね。