みらい図鑑

VOL.325「へちまのたわし」

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富山県射水市。
北アルプス立山連峰を仰ぐ、自然豊かなこの町で作られているのが、
「へちまのたわし」です。

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約40年の歴史を持つ地域のへちま栽培ですが、
その目的は、「まちおこし」。

町の人々が立ち上げた「へちま生産組合」がベースとなり、
立山連峰の雪解け水を使った、農薬・化学肥料不使用のへちまを、
今日まで作り続けてきました。

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たわしや化粧水でよく知られていますが、
食べることもできる万能植物、「へちま」。

たわしになるのは、その「実」の部分です。

完熟したへちまの「実」を収穫して、大きな桶に漬け込み、
柔らかくなったら皮を剝ぎ取って、天日干しにする。

たわしが完成するまでの工程は、全て手作業でおこなわれます。

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「固いイメージを持たれるかもしれないけど、
水分を含ませるとやわらかくなります。
徐々に手になじみ、少しの洗剤でもスッキリと洗いあがります。」

そう教えてくれたのは、
「へちま産業」の代表・瀧田秀成(たきだ・しゅうせい)さん。

3ヶ月から半年ぐらい使えるため、耐久性も優秀で、
使用後は、細かく切って、土にも還すことができるんだそうです。

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いろんな人に、「へちまのたわし」の魅力を知ってもらいたいと話す瀧田さん。

「特に、子どもたちは、学校でへちまを栽培して、
観察したりもしていると思うんですね。

でも、実ったへちまを、そのままにしている学校も多いと聞いています。
子どもたちには、収穫体験をして、たわしにして、実際に体を洗ってみるとか。

ボロボロになったら土に還るので、環境にもいいですし、
ぜひ、使っていただきたいなと思います。」

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環境や人の手肌、そして、食器にも優しい「へちまのたわし」。

射水の自然の恵みを、
暮らしの中に、ぜひ、取り入れてみてはいかがでしょうか。