みらい図鑑

VOL.335「菊花せんこう」

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1977年の創業以来、40年以上に渡って、
無添加食品の製造・販売をおこなっている、「りんねしゃ」。

愛知県津島市に本社を置くこの会社が手掛けているのが、
100%天然成分の蚊取り線香、「菊花(きっか)せんこう」です。

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「菊花せんこう」の主な成分は、除虫菊。

かつては世界の生産量の大半を日本が占めていましたが、
今では、激減している花です。

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「りんねしゃ」が、除虫菊を初めて収穫したのは、1997年。

その頃、すでに日本には、栽培する農家がほとんどいなかったため、
日本人から除虫菊の栽培法を伝授された中国の農家と契約し、
除虫菊の栽培をスタート。

2001年に「菊花せんこう」の販売がはじまりました。

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その後、北海道に自社農場を構えた「りんねしゃ」。

環境と人に優しい無農薬栽培にこだわって、
除虫菊だけでなく、ハッカの栽培もおこなっています。

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「りんねしゃ」の大島幸枝(おおしま・さちえ)さんに、
「菊花せんこう」のエピソードを語って頂きました。

「ずっと昔から使っていただいているお客さまに、
あるとき、電話をいただいたことがあるんですね。

自分の大好きなおばあちゃんが、夏になって、この菊花せんこうの香りを嗅ぐと、
自分たちや孫が小さかった頃の話をしてくれて、
“ああ、夏が来たね”って言ってくれるという。

おばあちゃんの記憶の中に菊花せんこうの香りが残っていて、
思い出してくれるのが嬉しい。
だから施設に持っていって、線香を焚いているんです、
という話をしてくれて、それを伺ったときは、すごく嬉しかったですね。」

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化学成分・着色剤不使用で、自然な色味が特徴の「菊花せんこう」。

虫を殺すのではなく、嫌がる煙を焚くことで、虫を“遠ざける”という発想は、
暮らしと向き合う人にやさしいモノづくりを目指す「りんねしゃ」の、
創業以来、変わることのない想いです。