2008年2月17日
武田百合子 『富士日記』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

武田百合子さんの「富士日記」。作家・武田泰淳さんの奥様であり随筆家でもある武田百合子さんが、昭和39年から昭和51年まで富士山の麓で家族と暮した13年を綴った日記です。 日々の食事から可愛がっていた犬や猫のこと。武田泰淳さんとの夫婦喧嘩、ご近所との交流など、富士山の風景とともに武田家の日常がいきいきと記されています。「自分が死の床についた時、枕元に置いておきたい本」と小川洋子さん。日々を記録した日記でありながら、日常の小さな出来事が奇跡であると感じさせてくれる作品。自分の命が短くなった時にこの本を読むと、自分の人生も平凡ではなかったと感じることができそうです。

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