2008年3月9日
金子みすゞ 『わたしと小鳥とすずと』

「金子みすゞの童謡は、遺伝子の中に残されている遠い記憶を呼び覚ますようで、祈りに似ている。」と小川洋子さん。眠る前に読むと心が浄化されると感じるそうです。しかし作品が持つイメージとは違って、金子みすゞの人生の終わりは衝撃的なものでした。結婚した相手に詩の投稿を禁じられるなどの理由から離婚。娘の親権を要求する夫に抵抗する気持ちで26歳の時に自ら命を絶ってしまうのです。それから78年。金子みすゞが祈るような気持ちでうみ出した童謡は、今も私たちの心の深い部分に届いてきます。出来れば声を出して味わってみたいもの。そうすることでその祈りの力はもっと強く響いてくるのです。

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