2009年09月06日
サマセット・モーム
『月と六ペンス』 
(光文社古典新訳文庫)

「月と六ペンス」の語り手である私が作家であるということから、サマセット・モームという作家がどんな人物だったのかも気になります。実はなんとスパイという顔も持っていたとか。それは第一次世界大戦の頃。モームは志願してフランス戦線へ赴きます。その後、諜報機関にまわされスイスに滞在。表向きには作家として作品を発表し、その裏で諜報活動も続けていたようです。そう知ると確かに「月と六ペンス」はスパイが書いた作品にも思えてきます。あるひとりの画家について、様々なところから情報を集め、調査して人物像を形作っていくという手法。そんな視点であらためて読んでみると、また違った楽しみ方ができる「月と六ペンス」です。

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