2011年04月17日
石井桃子
『ノンちゃん雲に乗る』
 (福音館書店など)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

石井桃子さんの「ノンちゃん 雲に乗る」。1951年に出版されてベストセラーになり、映画化もされた童話です。小川洋子さんも小学校時代の思い出の1冊。女の子に一番人気の本だったそうです。物語の主人公は「ノブ子」という8歳の少女。みんなに「ノンちゃん」と呼ばれています。ある春の朝「ノンちゃん」が目を覚ますと、お母さんがいません。なんとお兄さんと一緒に黙って出かけてしまったのです。くやしくなった「ノンちゃん」は、泣きながら木の上にのぼっていきます。ところが次の瞬間、バリバリっと音がして落ちそうになる「ノンちゃん」。しかし不思議なことに体がふわっと浮いて空にあがり、雲に乗っていたのです。

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