2011年05月08日
佐野洋子
『シズコさん』
 (新潮文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

ベストセラーの絵本「100万回生きたねこ」の作者としても知られる絵本作家の佐野洋子さん。昨年11月に亡くなられていますが、生前、エッセイも数多く残されていて、代表作のひとつが「シズコさん」。お母様のことを独自の視点と文体で書かれています。お母さんを好きになれないことに苦しむ佐野さんが、自らの結論をつかみとるまでの記録。小川洋子さんも、ぜひいつか番組で取り上げたいと思っていた作品です。「ここまでありのままに描きだしていることに驚き、ショックをうけるほど」と小川さん。そしてこのエッセイを読んだ誰もが、自分とお母さんの関係をあらためて振り返るきっかけになる1冊です。

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