2013年10月06日

横溝正史
『犬神家の一族』
 (角川文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

ひょうひょうたる風貌。興奮すると頭をかきまわす癖がある。横溝正史が生み出した名探偵・金田一耕助。そのシリーズの5作目となるのが1950年に発表された「犬神家の一族」です。物語は信州の財閥・犬神佐兵衛が莫大な財産を残して亡くなるところからはじまります。それを相続するのは犬神家の一族の誰なのか?遺言状が公開される前に最初の殺人事件が起こってしまうのです。何度も映画やテレビドラマになっているので、犯人が誰かを知っている方も多いのでは。それでもひきこまれてページをめくってしまう小説。「優れたミステリーは犯人が誰かということよりもその過程が面白い」と小川洋子さんもあらためて感じたそうです。

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