2013年11月03日

平松洋子
『野蛮な読書』
 (集英社)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「本の海を自由に泳ぐような楽しい1冊」と小川洋子さんも絶賛の本「野蛮な読書」。2012年に「講談社エッセイ賞」を受賞した平松洋子さんのエッセイ集です。エッセイストでフードジャーナリストとしても活躍されている平松さんが独自の視点で読書の楽しみ方を綴られています。最初に収められている「能登とハンバーガーと風呂上がり」は、能登の旅の宿で開高健さんの「戦場の博物誌」を読むというエッセイ。カステイラやハンバーガーなど食べ物からやがて本の話へ。さすが食の専門家でもある平松さんならではの切り口。「読書」と「食」の楽しさ、そして人生の豊かさまで伝えてくれる名エッセイです。

...続きを読む