2018年2月4日

『ネギをうえた人-朝鮮民話選』 (岩波少年文庫)

この本を編集された金素雲さんのあとがきにはこんな言葉が記されています。「降り積む雪の夜のオンドルで、真夏の夜、蚊やり火のけぶる庭ゴザの上で、おじいさんやおばあさんにせがんでは、朝鮮の子どもたちが飽かずに聞き入った物語や、野良仕事のあいまを、お百姓さんたちが木蔭にあつまっては、語りあい、笑い興じた短い話など、いろとりどりです。ここではトラがたばこを吸ったり、ノミやナンキンムシが酒もりをしたり、昔ばなしの精が赤い野イチゴや野べの泉に化けたりしますが、一つとして韓国に生まれた人たちののどかなこころのすがたをうつしてないものはありません」。民話はその土地に暮らす人達の心を表しています。そしてそれを味わうことはその土地の心を感じることでもあるのです。

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