2018年9月23日

大岡信
『折々のうた 春夏秋冬・秋』
(童話屋)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「秋分の日」にちなんで、大岡信さんの「折々のうた」のシリーズから秋編を選んでみました。朝日新聞に1979年から2007年まで連載されていた人気コラムをまとめた本。詩人で評論家の大岡信さんが短歌、俳句、川柳、現代詩、歌謡、漢詩など数ある詩歌の中から1日にひとつ選び出し解説するというもの。およそ28年続いた連載で紹介されたコラムは6762編。その中から春夏秋冬それぞれ68編を選び抜き、4巻にまとめて出版されています。この本の最初に掲載されているのは、秋と言えば最初に浮かぶ「秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風のおとにぞ おどろかれぬる」。「古今集」に収められている「藤原敏行」による和歌です。

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