2018年10月14日

武田百合子
『ことばの食卓』
(ちくま文庫)

武田百合子さんは、1925年(大正14年)、代々続く富豪の三女として横浜市に生まれました。7歳の時にお母様が亡くなり、母方の大叔母さま「みつ」さんが母親代わりになります。「ことばの食卓」の中にも、この「みつ」さんが「おばあさん」として登場。「牛乳」というエッセイでは、土鍋で牛乳を温め、百合子さんと弟さんに飲ませる場面が出てきます。魔女が鍋をかき回すようなちょっと怖い雰囲気の「おばあさん」。しかし子供たちに確かな愛情を持っていることが伝わってきます。武田百合子さんは、平成5年に67歳で亡くなっていますが、もしその後も生きていらしたら、70代80代ではどんな文章を残されたのでしょうか?早く亡くなられたことを残念に思います。

...前に戻る