2018年11月18日

プレヴォ
『マノン・レスコー』
(光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

7月に取り上げたデュマ・フィスの「椿姫」にも登場した小説「マノン・レスコー」。主人公のアルマンが、愛するマルグリットにこの本をプレゼントします。「椿姫」の重要なアイテムとして登場した「マノン・レスコー」とはどんな作品なのでしょうか?発表されたのは「椿姫」から100年以上さかのぼる1731年。フランスの作家で聖職者でもあるアントワーヌ・フランソワ・プレヴォが手がけた自伝小説「隠遁したある貴族の回想と冒険」全7巻の最後の物語として刊行されました。その後、独立した作品として発表され、今も世界中で読み継がれ、オペラやバレエ、映画にもなっています。物語は「私」という語り手がグリュという青年に出会うところからはじまります。

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