2019年02月17日

ジョン・スタインベック
『怒りの葡萄(上)』第一週
(ハヤカワepi文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

年に一度、長編小説を2週にわたって味わう特集。今年選んだのは、アメリカのノーベル賞作家ジョン・スタインベックの「怒りの葡萄」です。1939年に刊行されたこの作品は、当時ベストセラーとなり、全米図書賞やピュリッツァー賞も受賞。今年は刊行80年。現在も読み継がれている名作を取り上げました。舞台は1930年代のオクラホマ。アメリカ大陸の中部に位置するこの土地は、当時干ばつのせいで畑の乾いた土が砂埃となり、「ダストボウル」と呼ばれる砂嵐が断続的に起きていました。さらに1929年にはじまった世界恐慌によりアメリカの農民は銀行からの借金が返せず土地から立ち退かざるをえない状況にありました。

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