2019年05月19日

ヘルマン・ヘッセ
『メルヒェン』
(新潮文庫)

「メルヒェン」が出版された頃、ヨーロッパは激動の時代でした。1914年に第一次世界大戦が勃発。1918年まで続きました。ヘルマン・ヘッセは戦争中も平和主義を唱え、戦争で拘留されたドイツ人や捕虜のために慰問文庫を出す仕事に力をそそぎます。しかし過労になりノイローゼに苦しみ、精神分析の療養も受けていたそうです。そんな中で出版された「メルヒェン」にはヘッセの強い想いが込められています。すべての物事はうつろっていくが、その中にかけがえのないものがあり、それが人生の意味である・・。ヘッセが伝えようとしたことは、100年後に生きる私たちにとっても、大きなメッセージになるのではないでしょうか?

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