2019年05月26日

源氏鶏太
『青空娘』
(ちくま文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

戦後、サラリーマン小説をはじめ、数多くの作品を発表した源氏鶏太。今回取り上げた「青空娘」は、1956年(昭和31年)7月から翌年の11月まで雑誌「明星」に連載された小説。若尾文子さん主演で映画にもなりました。物語の主人公・小野有子は、瀬戸内海が見下ろせる岡の上が気に入っています。その理由は青空に近くなるから。そして青空に向かって「お母さん」と叫びます。というのも自分を生んでくれた本当のお母さんがどこかにいるということを知ったからです。見知らぬ東京で暮らしながら母を探し始める有子。まわりの人たちからいじめられることもあるけれど、青空のように明るく頑張り続ける彼女には輝く未来が待っているはずです。

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