2019年06月16日

ヒュー・ロフティング
『ドリトル先生航海記』
(岩波少年文庫)

ドリトル先生の第1巻で大人気だったオウムのポリネシアとサルのチーチー。「アフリカゆき」では故郷のアフリカに留まることを選びますが、第2巻では二人とも戻ってきてくれて、トミー少年は、ポリネシアに動物の言葉を学んでいきます。もちろん翻訳は、第1巻に引き続きあの井伏鱒二。物語の内容も登場人物が魅力的に感じられるのも翻訳の力によるところが大きいのです。ちなみに日本で井伏鱒二の翻訳による「ドリトル先生」シリーズが発表されたのが1941年(昭和16年)。この年の12月には太平洋戦争がはじまります。世の中の情勢が不安な中、「ドリトル先生」は日本の子供たちにどんな夢を与えたのでしょうか?

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