2019年07月21日

新美南吉
『でんでんむしのかなしみ』
(ハルキ文庫)

今から106年前の大正2年、愛知県半田市に生まれた新美南吉。中学生の頃から童謡や童話を作り、19歳の時に児童雑誌「赤い鳥」に「ごん狐」が掲載されました。しかし結核のため昭和18年、29歳7ヶ月という若さで亡くなっています。短い人生の中でも数多くの童話を生み出した新美南吉。それもまわりによき理解者がいたからです。そのひとりが童謡「たきび」の作詞でも知られる詩人、巽聖歌。彼をとおして幼年童話を刊行する話が出版社から持ち込まれました。実際に本が出ることはありませんでしたが、あの時、巽聖歌がすすめたことで「でんでんむしのかなしみ」など名作が生まれました。現在でも新美南吉の多くの作品が読みつがれているのは、巽聖歌をはじめ多くの理解者が新美南吉の作品を広める努力をしたからです。

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