2019年08月18日

ニール・サイモン
『おかしな二人』
(ハヤカワ演劇文庫)

そこにもうひとりの主人公フィリックスがやってきます。彼は奥さんに逃げられたと落ち込み自殺騒ぎになるほど。結局、同じ境遇でやもめ暮らしのオスカーの部屋に居候することになるのです。そこからはじまる「おかしな二人」の食い違い。大雑把なオスカーと料理上手できれい好き、潔癖性のフィリックス。そのやりとりのおかしさは、舞台の様子が目に浮かぶほど臨場感があるのです。ちなみにこのストーリーは、ニール・サイモンの兄であるテレビ作家でプロデューサーのダニー・サイモンの身に実際に起こった出来事。コメディタッチの戯曲の中に、人間同士の普遍的な問題が描かれていて、だからこそ国や時代を超えて読み継がれ上演されているのではないでしょうか?

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