2019年09月29日

山下清
『ヨーロッパぶらりぶらり』
(ちくま文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「裸の大将」として映画やテレビドラマでも知られる山下清。大正11年、東京に生まれ、養護施設「八幡学園」で貼り絵を習い、その才能を開花させました。その後、作品が高く評価され、「日本のゴッホ」と呼ばれるまでになっていきます。また放浪することが好きで、出かけた先で出会った風景を絵や文章に残しました。今回取り上げた「ヨーロッパぶらりぶらり」は、昭和36年、山下清が39歳の時の旅行記。念願かなったヨーロッパ旅行で体験したことを感じるまま素直な文章で記しています。ドイツに降り立ち、北欧、オランダ、イギリス、フランス、イタリアなどなど。山下清の心に映った1960年代のヨーロッパはどんな世界だったのでしょうか?

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