2019年12月15日

ボーモン夫人
『美女と野獣』
(角川文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

ディズニーのアニメや実写映画でも知られる「美女と野獣」。戦後まもなくジャン・コクトーも映画化。またミュージカルやバレエなど舞台作品としても親しまれています。世界中で愛されているこの物語は、もともとヨーロッパで古くから口伝えで広まったもので、その原型とされる話はいくつかあるそうです。そして文字で記された作品としてはじめて現れたのが1740年、ヴィルヌーヴ夫人という人物による長編小説「若いアメリカ娘と海の物語」でした。アメリカへの長い船旅の中で、登場人物が語ってきかせる昔話として出てきます。さらにその16年後、今回取り上げたボーモン夫人による「美女と野獣」が登場しました。

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