2020年07月05日

宮沢賢治
『銀河鉄道の夜』
(新潮文庫)

1924年(大正13年)、宮沢賢治が28歳の時に書きはじめ、亡くなる直前までの9年間、推敲を重ねた「銀河鉄道の夜」。主人公の少年ジョバンニが、星祭の夜、丘の上でいつのまにか眠ってしまい、気がつくと親友のカムパネルラとともに銀河鉄道で旅をするという物語。その後、目覚めたジョバンニはカムパネルラが川に入って行方がわからなくなっていることを知るのです。宮沢賢治がこの作品を書き始めたその2年前、妹のトシが病気で亡くなっていて、その想いも込めたのではと言われる「銀河鉄道の夜」。この作品を読むと「死」は悲しいものではなく、「生」も「死」も平等に宇宙を形作るという壮大な想いが伝わってきます。

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