2020年08月02日

舟崎克彦
『ぽっぺん先生の日曜日』
(岩波少年文庫)

「なぞなぞのほん」に入り込んでしまった「ぽっぺん先生」。アワダチ草の草むらの中で「桃色ペリカン」に出会ったり、絶滅した動物たちの動物園で「コハク色の透き通った貝を背負うカタツムリ」と会話したり、その都度、生き物たちは様々な人生の謎を問いかけてきます。「なぜ自分は人間に生まれてきたのか」「楽園はどこにあるのか」、そのひとつひとつの問いかけが哲学的で大人にも読み応えのある童話。もともとこの作品が完成した時、「童話にしては難しすぎる」という意見もあったそうです。「ぽっぺん先生」シリーズを子供の頃に読んだことがある方は、今あらためて読むと人生の真理に出会えるかもしれません。

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