2020年11月08日

坂口安吾
『直江山城守』
(宝島社文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

坂口安吾というと、メロディアス・ライブラリーでもかつて取り上げたことがあるエッセイ「堕落論」や小説「桜の森の満開の下」などが浮かびますが、歴史をテーマにした作品も数多く残しています。そのひとつが、1952年の「安吾史譚」。古代から幕末まで坂口安吾が愛した歴史上の人物、出来事を独自の視点で解釈した作品です。その中に収められているのが「直江山城守」。戦国時代の武将「直江兼続」が主題になっている作品で、短編時代小説のオールタイムランキングを収めた本「この時代小説がすごい!時代小説傑作選」で第5位に選ばれています。

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