2020年12月13日

『石垣りん詩集』(岩波文庫)

自分自身の生き方や、女性に与えられた役目を前向きにとらえた詩。平和に対する強い想いを誰もがわかる言葉で表現した詩。身近なものを出発点にしながら、社会や自然に目を向けていた石垣りんさん。2004年12月26日、84歳で亡くなっていますが、生前、なぜ詩を書こうと思ったのかについてこう話されています。「戦前の女性は、本音というか、自分のこう思うというようなことを、なかなか言いにくい世の中に生きてきた。これだけは言わせていただく、というような気持ち。周囲に気兼ねなく、物の言える場所が欲しかったのかなという感じがします」。文学の中でだけ、女性たちが自分の想いを伝えることが出来たそんな時代があったことも「石垣りん詩集」は伝えてくれます。

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