2021年1月24日

アントニオ・G・イトゥルベ
『アウシュヴィッツの図書係』
(集英社)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

この作品が生まれたきっかけは、スペインのジャーナリスト、アントニオ・G・イトゥルベがある事実を知ったことからでした。それは本が禁じられていた「アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所」の中にとても小さな秘密の図書館があったということ。彼は調査をはじめ、そこからわかった事にフィクションを加え、「アウシュヴィッツの図書係」という作品を完成。2012年に発表しました。その図書館にあるのは、わずか8冊の本。そしてディタという14歳の少女が図書係に指名されます。命の危険がある中、服の中に隠した本を守っていくディタ。その後、彼女にはどんな運命が待っているのでしょうか。

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