2021年6月27日

『金子光晴』(ちくま書房)

1895年(明治28年)愛知県の酒商の家に生まれた金子光晴。2歳の時に、父親が事業に失敗。金子という家の養子に迎えられます。14歳の頃から小説家を志し、病気で休学していた20歳の頃に詩作をはじめ、そして彼の人生で大きな出来事は、のちに結婚相手となる詩人・森三千代との出会いでした。夫婦で東南アジアからパリへ足かけ5年にわたる放浪の旅を続け、また息子の乾への強い愛情も詩作のエネルギーになりました。また晩年は孫である若葉へ深いまなざしを向け、そのすべての時間が彼の作品の源泉になっています。自分の人生に向き合い続けた詩人、金子光晴。彼の残した詩や随筆を味わうと、生きていくことに目をそらさない覚悟を感じます。

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