2021年8月1日

土家由岐雄
『かわいそうなぞう』
(学研)

戦時中、上野動物園にはジョン、トンキー、ワンリーという象がいました。まずジョンに毒薬の入ったじゃがいもを出しますが、象はとてもかしこい動物。長い鼻で口までもっていきますが投げ返してしまいます。仕方なく食べ物を与えないことにしますが、その時の飼育員さんの張り裂けそうな想いも伝わってきます。続いてトンキーとワンリーのかわいそうな様子も綴られていきます。この作品は小学2年の教科書に掲載されていますが、子供たちには抱えきれないほど重い内容です。しかし「象が可哀想だ」と思う子供たちの気持ちが、「戦争はいけないことだ」と感じることにつながっていくのではないでしょうか?8月には親子で「かわいそうなぞう」を読んでみるのも貴重な時間になると思います。

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