2021年8月15日

半藤一利
『日本のいちばん長い日』
(文春文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

今年の1月、90歳で亡くなられた作家でジャーナリストの半藤一利さん。代表作のひとつ「日本のいちばん長い日」は、終戦となった昭和20年8月15日、その日をめぐる24時間を綿密な取材と証言で再現したノンフィクションです。ちなみにこの作品を半藤さんが書き上げた1965年(昭和40年)当時、出版社「文藝春秋」の社員でした。そのため自分の名前で出版することができず、ジャーナリストの大宅壮一さんの名を冠して刊行されたとか。その後、出版社を退社した記念に、半藤一利さん名義に戻し、さらに30年たって新しくわかった事実なども書き加えたため、題名に「決定版」が付いたということです。

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