2022年2月27日

ナイポール
『ミゲル・ストリート』
(岩波文庫)

V.S.ナイポールが生まれた「トリニダード島」は、15世紀の終わりにコロンブスによって発見され、その後、スペイン、フランス、オランダなど様々な国の人たちがやってきました。19世紀から20世紀の中頃まではイギリスの植民地となり、サトウキビの栽培が盛んにおこなわれています。その労働力として連れてこられたのがアフリカの人たち。その後、奴隷制が廃止されると、あらたな働き手としてインドからの移民を募り、ナイポールの祖父も19世紀末にインドから移り住みました。この島の一角「ミゲル・ストリート」は、その歴史をとおして、あらゆる人種や文化が混在している場所。そしてこの土地ならではの音楽と文学も生まれていきました。

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