2022年7月17日

チェーホフ
『ワーニャ伯父さん』
(光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「映画ドライブ・マイ・カーで使われました!」。こんな言葉が本の帯に記されている「ワーニャ伯父さん」。1896年に書かれたチェーホフの戯曲ですが、話題の映画に使用されたことで、今あらためて注目されています。「かもめ」「三人姉妹」「桜の園」とともにチェーホフの四大戯曲のひとつ。海外でも日本でも上演され続け、また読み継がれています。退職した大学教授の田舎の領地を舞台にした物語。その土地を長年守ってきたのが、教授の前妻の娘ソーニャとその叔父ワーニャ。しかし大学教授がこの土地を売り出す提案をすることでワーニャ伯父さんは、自分の人生を後悔し、その苦しみを吐露します。

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