2022年12月18日

ビアトリクス・ポター
『グロースターの仕たて屋』
(福音館書店)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

ビアトリクス・ポターの「ピーターラビットの絵本」シリーズ、その第1作「ピーターラビットのおはなし」が出版されたのが1902年のことでした。今年は120周年という記念の年。日本でも川上未映子さんによる新訳が出版されるなど話題となりました。この絵本シリーズの中からクリスマス・シーズンに読みたいのは「グロースターの仕たて屋」。イギリスの町グロースターに住んでいる仕たて屋が、市長の服を作ることになります。しかし「べにいろのあな糸」が、ひとかせ足りません。そこでねこのシンプキンにおつかいを頼みますが、シンプキンはあることに腹をたて、買ってきた「あな糸」を隠してしまうのです。

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