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「ここに“胡桃”を登場させるのが、この作品の絶妙なところです」。これが他の何かだったらここまでの名短編になっていなかったでしょう、と小川さん。確かに胡桃でなく卵やみかんだったら…永井龍男のセンスに驚くばかりです。それにしても教科書に掲載されてきた作品を大人になって改めて読むと、思い出や、あの頃とは違う感情が湧き出して本当に楽しいですね。ちなみに小川さんは大江健三郎さんの『鳥』という作品が教科書に出てきた時、その難解さに「わからないことに対面している自分が、大人になった感じがした」そうで、純文学への目覚めの一作となったのだとか。教科書が作家・小川洋子誕生の一端を担っていたとは!世の中どこにキッカケがあるかわかりませんね。

(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2017年8月27日
ヘレン・バンナーマン
『ちびくろ・さんぼ』

2017年8月20日
河合雅雄
『少年動物誌』

2017年8月13日
高見順
『死の淵より』

2017年8月6日
井伏鱒二
『黒い雨』

アーカイブ
くるみ/大橋トリオ
♪冷たい風がふくと思いだす、君が淹れた紅茶と胡桃♪という一節があるので選びました。
人生の秘密/ジェイムス・テイラー
♪愛の秘密は心を開くこと♪という歌詞が、少年がはじめて胡桃を割ることができて、気持ちが変化するさわやかなラストシーンに思い浮かびました。
サムシングズ・ミッシング/ジョン・メイヤー
母の容態が悪く、学校の旅行に行けないかもしれないという夜、割れない胡桃と格闘する少年に。かかえている孤独やとまどいを思って。
 
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