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2019.11.29

「もしドラ」編集担当から転身! 加藤貞顕「note」立ち上げの思いと手応え

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。11月23日(土・祝)の放送は、株式会社ピースオブケイク代表取締役CEOの加藤貞顕(かとう さだあき)さんが登場しました。


ハヤカワ五味、加藤貞顕さん


◆課金の手段があったほうが健全
加藤さんは、2011年12月にピースオブケイクを設立。現在、メディアプラットフォーム「note」とコンテンツ配信サイト「cakes」といったWebサービスを運営しています。

文章や写真、イラスト、音楽、動画などを投稿できる「note」のサービスについて、「フォロー機能などでお客さんと長期的な関係をつくりやすいのと、(投稿されている)コンテンツに対して課金ができる仕組みがあるのが、最大の特徴。いままではメディアの人しかできなかったようなことが、個人でも(簡単に)始められるのが魅力」とアピール。

そんな「note」は今年、投稿するクリエイター、読者ともにユーザー数が増え、躍進を遂げます。年初に1000万人だった月間アクティブ・ユーザー数(月1回以上サービスを利用したユーザー数)が、9月には2000万人に倍増。「多くの有名人が使っているTwitterぐらいにまで近づきたい」と意欲を語ります。

一方、「cakes」のサービスについては、「雑誌みたいに、有料のコンテンツをプロが書いて配信するサイト」と説明。「どちらも共通しているのは、クリエイターが作品をインターネット上に載せて、それをみんなに見てもらって、必要であれば収益も上げられる。クリエイターのためのプラットフォーム」と言います。

ハヤカワが、「note」のサービスを設計する上で意識したことを尋ねると、「続けることがけっこう重要。(課金などの)いままでなかった機能をフォーカスした」と回答。

というのも、「出版やテレビ、ラジオなどは、続けるための仕組みが内包されている。いままでインターネットのエンジンって広告だった。PV(ページビュー)が増えれば増えるほど収益が上がるけど、厳しい表現や煽り表現、コピペなどが溢れがちで。広告だけに頼っているアーキテクチャ(構造)の原因が大きく、課金の手段があったほうが健全だろうなと思った。課金がすべてではないけど、必要であれば収益が上げられ、お客さんと長期的な関係性が築けて、平和でいい空間のほうがモノづくりしやすい」と強調しました。

◆子どもの頃の趣味が仕事に
続いて、加藤さんのキャリアやこれまでを振り返ります。1973年新潟県生まれで、子どものころは体があまり強くなく、本を読んでいることが多かったそう。そんな少年時代に大きな転機となったのが、「小学4年生のときにパソコンを買ってもらったこと」。大好きな本とコンピュータにのめりこんだ結果、「いま、完全にその2つが組み合わさったようなことを(仕事として)やっていますね」と話します。

また、加藤さんは会社設立前には、出版社の「ダイヤモンド社」で、編集者としてさまざまな作品を手がけてきました。担当編集を務めた代表作のなかには、280万部を突破し、アニメ・映画化された「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら(以下、もしドラ)」といった有名作も。

編集者の仕事について、「本をクリエイターさんと一緒につくるところが半分ぐらい。残り半分は、『こんないい本がある』と広めるところ。2年間ぐらいかけて280万部売ったんですけど、マーケティング絡みの経験をたくさん積みました」と振り返ります。

さらに、2010年にiPadが発表されたのを機に、「もしドラ」を電子書籍化しようとアプリを制作。しかし、「『もうちょっと根本的にコンテンツをインターネットで配信・流通して、必要ならお金にするような仕組みがそもそもいるよね』という思いに至り、会社を辞めて2011年に会社をつくった」と経緯を説明しました。

◆クリエイティブを尊ぶ場所であるべき
会社を設立し、新たなWebサービスを運営するにあたり、「そもそもインターネットってコピペや悪口、激しい物言いになりがちだけど、クリエイティブする上でそれは障害になると思った。だから、ちゃんとクリエイティブを尊ぶ場所であるべきだし、そういうコミュニティにしたかった」と思いを語ります。そしてそれは「街づくりに近いと思っている」とも。

加藤さんは常々、社員たちにも「『note』っぽいか、『note』っぽくないかを共有し、話し合っている」と言います。「『note』は多様性を大事にしたい。最近は料理家やレストランの方にも多く使ってもらっていて、彼らがここで出会って友達になったり、一緒に仕事をしたりするのを見ているとすごくいいですよね。なかで出会いが生まれることは重視しています」と語ると、ハヤカワは「今後、多様な街が『note』という場所を中心に広がるのは、妄想が広がっていきますね」と感想を口にしました。

イラスト:Eika



次回11月30日(土)の放送は、引き続き加藤さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm
2019.11.22

アカツキCEO・塩田元規が語る未来「“リアル”と“デジタル”が融合した世界が目前に」

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。11月16日(土)の放送は、前回に引き続き、株式会社アカツキ代表取締役CEOの塩田元規さんが登場。アカツキのこれからについて妄想トークを交わしました。


(左から)塩田元規さん、ハヤカワ五味


◆妄想を超えていく世界を見る
ハヤカワが「これからのアカツキはどうなっていくんですか?」と尋ねると、塩田さんは「ワクワクが止まらないですね」と笑顔を見せます。

2010年にモバイルゲーム事業を手がける株式会社アカツキを3人で創業した塩田さん。これからAI(人工知能)などの活用が進むことで、「リアルの世界とデジタルの世界がどんどん融合していって人間の情報がつながれたときに、リアルの場がゲームのファンタジーだったかのように世界で遊べるようになるのが、すぐ目の前まできている。例えば、コンタクトレンズをつければ、目の前の人を見ながら、デジタルの情報が表示されるような世界がくる」と想像をめぐらせます。

そして、「エンターテインメントのテクノロジーと、人を動かすアーティスティックなものとデジタルなものが融合したのがゲームだったけど、これからは、これがいろいろな事業領域に広がっていく」とも。

また、塩田さんは“教科書”を引き合いに出し「読んでいて、あまり面白くない。教科書がもっと面白くなるだけで、違う世界がくる。僕たちがいままでの事業で積み重ねてきたことが、いろいろな産業に応用できると思うので、いろいろな会社と組むなどして面白いものをつくっていけるのではないか」と期待を寄せます。

以前は、自分が妄想したビジョンを実現させることが楽しかったそうですが、「最近は妄想を超えていく世界を見ることに一番ワクワクしている。アカツキはようやく、そんなフェーズに入ってきた気がする」と実感を語りました。

◆会社の垣根を越えたフェスを開催
アカツキは、今年「ハートドリブンフェスティバル」なるイベントを開催。これまでは「暁祭」と銘打ち、社内で年に1回の周年イベントを開催してきたそうですが、「今年はそうじゃなく、会社の垣根を越えちゃったほうがいいと思って、文化祭のようなフェスをやろうと。“大人が1日だけ子どもに戻って遊び切る”というテーマで、みんなで好きなコンテンツを出した」と塩田さん。

その結果、「ライブはもちろん、(長崎県)佐世保出身の共同創業者は、ガチな佐世保バーガーをつくったり、DeNA代表取締役会長の南場智子さんが来てお寿司を握ってくれたりして(笑)。スナックや瞑想コーナー、eスポーツ大会など、40以上のいろいろなコンテンツが集まって面白かった」と振り返ります。

会社の垣根を越えたフェスは好評だったようで「来年は、もっといろいろな人が『行きたい!』と言ってくれていて。今回は、十数社のベンチャーが“自分たちでお金を使って、みんなのために”と参加してくれた。こういうイベントを当たり前にして、1年に1日だけ、日本人みんなで学園祭をやるみたいなものを“日本発”でやって、それが世界中に広まるとみんな優しくなれるんじゃないかな」という夢も飛び出します。

◆認識することの大切さ
ハヤカワは、最近気になっていることとして「“ご自愛力”って、どうやってつければいいですか? “人の為に”が先行しちゃって、どうも苦手なんです」と質問。

塩田さんは「がんばっている女子は、大体自己犠牲が強くなる」と言います。そして、「自己犠牲で相手に対してやっていることって、(された)相手も無意識だけど、うれしくないんです。まず、自分の顔を浮かべて自分に聞いてみるといい。いま、私がやろうとしている行動って『なぜしようとしているのかな?』って。その理由が“怖さ”からやっているのか、“喜び”からやっているのか。“私、喜びからじゃなく無理しているな”と思った行動を、少しずつ止めていくといい」とアドバイス。

塩田さんの著書「ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力」(幻冬舎 NewsPicks Book)でも“認識することの大切さ”に触れていると言い、「“ご自愛”をなんとかしようとすると、苦しみのループに入ってしまう。それこそ、自分に無理をさせている。“なにもしなくていい”から認識すればいい」と話します。

また、「自分で認識するのは難しいから、誰かと話すことも重要。自分のやっていることを誰かと分かち合いながら、“本当はどうしたかったんだろう?”と自分に問うてあげると、そのときに認識するし、だんだんと自分のことがわかってくる」と助言していました。

イラスト:Eika



次回11月23日(土・祝)の放送は、メディアプラットフォーム「note」やコンテンツ配信サイト「cakes」を運営する、株式会社ピースオブケイク代表取締役CEO・加藤貞顕(かとう・さだあき)さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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2019.11.15

アカツキCEO・塩田元規が涙した、会社が進化するきっかけとなった言葉とは?

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。11月9日(土)の放送は、株式会社アカツキ代表取締役CEOの塩田元規さんが登場しました。

(左から)塩田元規さん、ハヤカワ五味



◆ハートドリブンとは?
2010年創業の株式会社アカツキは、モバイルゲーム事業や、横浜駅直通の複合型体験エンターテインメントビル「アソビル」などをはじめとするライブエクスペリエンス事業などを展開しています。さらには、著書「ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力」(幻冬舎 NewsPicks Book)を発売するなど、幅広い分野で活躍しています。

塩田さんが掲げる“ハートドリブンな世界へ”というビジョンについて、「僕たちは、“会社を超えて世界をどうするか”というビジョンを定めています。“世界がどうあるべきか”というなかで、その次に“自分たちはどうか”という順番で決めていく」と話します。

「ドリブンはインセンティブという言葉の対義語。インセンティブは、“外側からがんばればこういう報酬が与えられるよ”というものだけど、そうではなくて、自分の内側にあるハートを原動力に一人ひとりが活動していくと、誰かからなにかを貰わなくても、やっている時点で幸せになる。言われてやる仕事よりも、やりたい仕事のほうが圧倒的に幸せは湧き出る」と語ります。

さらには「組織って、社長が考えていることを実現させる組織になりがちだけど、そうではなくて、会社とはいろいろな人たちが“自分の幸せ”と向き合ってなにかを生み出していく場である、という考え方で経営しているので、うちのメンバーは大変だと思いますよ」と笑います。

◆号泣した出来事と言葉
塩田さんは、大学時代に“幸せと経営”というテーマで数多くの社長にインタビューをしたそう。その際、ある社長からの「世の中に価値を提供して、お客さまを笑顔にして幸せにすることが利益の源泉。会社は1人ではできない。みんなで集まってやるのが会社なんだよ」「勝ち組、負け組ではなく、バリューの“価値組”になりなさい」という言葉に感銘を受けたと言います。

そして、“いつか会社を経営しよう!”と心に決め、経営の本を読み漁り、さらに「27歳で起業して、37歳で一部上場する」と人生の年表を書いたそうで「3年前倒せた」と胸を張ります。

とはいえ、会社経営は決して順風満帆ではなく「何度も倒産しそうになった」と告白。3人で会社を立ち上げた当初はほとんど休みなく、仕事に明け暮れる毎日だったそう。

「1年目はとにかく生き残ることに必死だった。2年目になると少し人が増え、チームでどうするかというテーマになった。3年目で会社が伸びそうになったとき、自分は“人が大事”という理念を言っているにもかかわらず、売上が上げられそうでうちに合わなそうな人を採用するという一番やってはいけないことをやってしまった」。

その結果、組織がおかしくなり「創業時にいたメンバーの半分が辞めてしまった。その夜は号泣して吐いた。その痛みのなかで、自分はがんばるしか知らない人間だったけど、人生で初めて人に弱みを見せたのが3年目だった。これがハートドリブンの原体験」と振り返ります。

あるとき、社外取締役の勝屋久さんの奥さんから「あなたは『世界を幸せに』『社員を幸せに』といつも言っているけど、そのなかにあなたは入っているの?」と言葉を投げかけられたそう。

塩田さんは「自己犠牲しすぎていて、そこにぼくは入っていなかった。経営者やリーダーってそうなりがちだけど、『自分もそのなかに入れていいんだよ』と言ってくれて、号泣してしまった。それで僕もメンバーに『今、苦しい』」と打ち明けるようになった」と語ります。

そうしたら“みんなでがんばろう!”とチームの雰囲気がガラッと変わった。それから大ヒットゲームが生まれ始めた。「会社として進化してきたのは、そこからですね」と分岐点を挙げていました。

次回11月16日(土)の放送も、引き続き塩田さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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2019.11.8

「現状維持バイアスから抜け出す方法とは?」こばかなが教える“現状から1歩踏み出す方法”

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。11月2日(土)の放送は、前回に引き続き、株式会社THE GUILDのデザイナーでコーチングの活動もしている“こばかな”こと小林かなさんが登場しました。


(左から)小林かなさん、ハヤカワ五味


◆「フットワークの軽さは、情報量の多さ」
Twitterで4万人のフォロワーがおり、前回はコーチングの仕事などについて語ってくれた小林さん。コーチングをするなかで、「やりたいことが見つからないと言う人が多い」と実感を語ります。

そして、その解決策は「もっと行動をしたほうがいい」と言います。というのも、「やりたいと思うことって実は心のなかに答えとしてあるから」。とはいえ、「自分のやりたいことを実際に行動に移せるかどうかは、また話は別」とも。

小林さん曰く、人は幾つか条件が揃わないと行動に移せないのだそう。それは、「自分が成功をイメージできること。自分に自信があることでないと面倒でなかなかやらない。それと一番大きいのが、それがお金にならないからと、行動をブロックしてしまう」と説明。「なにも考えず、とりあえずやってみればいいんだけど、いろいろと考えてしまう」と話します。

これに、「起業家やなにかをやっている人たちって、そこへのハードルが低いと思う」と感想を口にすると、「フットワークの軽さは情報量の多さだと思う」と推測。情報量が多いと、自分がそれをやることによってどんな期待を得られるのかがある程度想像がつきやすくなるのだそう。逆に、「全く期待値を得られない状態は、おそらく情報量が少ないということ。行動をするには情報を入れるしかない」と話します。

小林さんは、「経営者は、情報をたくさん取得する。情報を持っているから行動へのハードルが下がって、どんどん行動することによって、さらに情報が得られるから次の行動がしやすくなるループに入るんです」と解説。そして、情報を増やす方法として、「情報をいっぱい持っている人のところに飛び込むこと。自分の環境を変えるのが一番。人に会ったり、話を聞いたり、読書が苦手な人でもできると思う」と勧めます。

◆「環境を変えるのがおすすめ」
また、「人って現状からなにか変わることをすごく嫌う。なにか変わることで“自分が損をするかもしれない”と思ったら、その損自体を深く捉えてしまう習性がある」と言います。

例えば、現職に満足していないものの“転職しよう”という発想が湧いてこないのは、「現状維持をしていると未来が予測しやすくなるので、不満ではあるけれど安心なんです。大きなストレスを抱えて一気に転職をするよりも、小さいダメージを受けながら日々を過ごすほうを人は取りやすい」と説明。

そこで、「この“現状維持のバイアス(偏り)”から一歩踏み出す、心理的負担を超えるためにはどうすれば?」と問うと、「環境を変えるのがおすすめ」と答えます。「自分の価値観に影響しているものの根本となるのは、周りの人たち。自分の周囲5人によって自分の平均の価値観が定義される。例えば、自分の周りにすごく不幸な人たちが集まっていると、自分も不幸なところに染まりやすいし、その価値観に染まっている状態だと、そこから変化しようと思わない。でも、自分1人だけが不幸で周りの5人はハッピーだった場合、自分もハッピーなほうにいかなきゃという気持ちになってくる」と話します。さらには、「(身近な)周りの人に相談すると、その人のアドバイスは、その周りの環境の価値観を受けたアドバイスになりやすいので、全く利害関係のない人に相談したり、自分の本音をさらけ出したりするほうが活きてくる。そういう意味ではコーチングは活用できる」とも。

また、「“〇〇すべき”と自分のなかでマイルールを決めてしまいがち。コーチングでは、それを取り外す質問をする」と言います。多くの人は、常識や周りの声に振り回されてしまいがちで、「まだ上司が帰っていないから“残業をしなければならない”と。(人から)言われたわけではないのに、自分のなかで決めているマイルールによって自分がストレスを受けていることが結構ある」と指摘。それゆえに、「『自分が“〇〇すべき”と思っちゃっていることはなんですか?』と質問されると、そのあたりの認知が自分で客観視できる」と提言していました。

これにハヤカワは感じ入った様子で、「ラジオの前の皆さんも、“〇〇すべき”と思っていることがあったら、ぜひ書き出して振り返ってみてほしい」と呼びかけていました。

次回11月9日(土)の放送は、株式会社アカツキのCEO 塩田元規さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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