放送後記 オンエアレポート 放送後記 オンエアレポート
2020.6.25

スペースマーケット代表が提言! スタートアップやベンチャーを目指す若者に必要な目線とは?

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。6月20日(土)の放送は、前回に引き続き、株式会社スペースマーケット代表取締役の重松大輔さんが登場しました。


ハヤカワ五味、重松大輔さん


◆シェアリングエコノミーとは?
前回は、同社が運営しているスペースシェアリングプラットフォーム「スペースマーケット」のことや、同サービスで広がる可能性について伺いました。

一般社団法人シェアリングエコノミー協会 代表理事という顔も持つ重松さんによると、シェアリングエコノミーとは「モノやスキル、移動、お金、場所などの遊休資産を、多くの人と共有・交換して利用する経済の形」。

ハヤカワが、シェアリングエコノミーのトレンドを尋ねると、「『Uber Eats(ウーバーイーツ)』をはじめ、テイクアウトやデリバリー関連のシェアリングサービスがとても伸びています。あと、スキルシェアなどのオンラインで完結するものも伸びている」と重松さん。その魅力について、「自分自身、すぐに売り手にも買い手にもなれる。ちょっとした時間を小分けにして、好きなときに好きなように働いて稼げるし、(買い手の)利用者としては簡単に使えるところ」と言います。

現在、コロナ禍で働き方も大きく変容するなか、「いままでは、メンバーシップ型(人に仕事を割り当てる雇用の形)だったのが、これからは、世界のトレンドとなっているジョブ型(仕事に人を割り当てる雇用の形)に(日本も)なると思う。シェアリングサービスが出てきたことで、副業がどんどんやりやすくなる。国としても副業を推奨しているので、自分のやる気次第でいろいろな仕事ができるようになるのではないか」と推測します。

◆就活生が持っておくべき目線とは?
1976年生まれの重松さんは、就職氷河期と言われた世代とあって「新卒での就職に関しては、トラウマがある」と言います。最終面接まではこぎつけるものの、「とにかく、いろいろな企業に落とされまくって、人格を否定されているかのようだった」と語ります。

その経験もあり、現在の就活生に対して「20年程生きてきた過程で、それぞれ、強みや興味のある分野、得意分野が必ずあると思う。もしそれが、わからないのであれば、自分の価値を試すためにも、シェアリングサービスを使って販売してみるといい」と提案をします。

また、「企業も、(落とした)人を否定しているのではなくて、たまたまそのポストがなかったとか、合わなかった、ということもあるので、ある程度は、数を打つ必要もある。これからは、大企業も間違いなくジョブ型に変わっていくので、自分がどのジョブを極めていきたいのか、早い段階で考えたほうがいいのではないか」とアドバイスも。

「就職氷河期のときは、とにかく“会社に入りたい!”の一心で頑張ってきた」と話す重松さんは、2000年にNTT東日本に就職。そして、2006年に株式会社フォトクリエイトへ転職します。「スタートアップ企業にジョインしてからは、自分の仕事が、社会の“価値”を生み出し、自分の能力を最大限に活かすことが、結果的に会社を大きくし、会社を大きくすることが、世の中を良くする。30歳のときに転職したんですけど、“世の中目線”になれたのは良かった」と振り返ります。

そんな自身の経験から「確かに、お金も大事だとは思いますが、“どうやって、世の中を良くするか”という目線はぜひ大事にしていただきたい。あまり、お金や福利厚生、教育体制のことばかり聞かれると、特に、スタートアップやベンチャーは、そういう人とは“合わない”と思われてしまう傾向がある。“学べる環境はあるから、自分でつかんでくれ”という感じ」と助言しました。

◆面白いアイデアを生み出すには?
2013年7月、株式会社フォトクリエイトで東証マザーズ上場を経験した重松さんは、起業を決意。2014年に起業するまでに考えた100個程のアイデアのなかから、1番可能性を感じた“スペースマーケット”を開設することに。

幼少期から、膨大なインプットをすることが日常だったそうで、いまなお「TwitterやFacebook、本や雑誌もよく読みますし、いろいろな仲間と情報交換をして、インプットを怠らないように心がけている」と重松さん。

また、「“なぜ、このビジネスは儲かっているのだろう?”と、理由を考える。いろいろなジャンルから掘り下げていくと、点と点が結びつくんですよね。これをやり続けると、面白いアイデアがどんどん出てくる」と独自の手法を語ります。

また、自分の好きな分野である“株の購入”も、トレーニングになっているのだそう。なぜなら、「お金がかかると、なぜこの株が上がったのか、下がったのかを真剣に見て考えるから」。

さらに、重松さんとともにハヤカワもおすすめしていたのが“投資家向けの資料を見ること”。その理由について、重松さんは「この会社が、なにで儲けていて、なにが課題で、世の中をどう良くしていくことで儲けるのかなど、(情報が)全部出ているので本当に面白い。自分の好きな会社、最近好調な会社などの資料を見るとすごく勉強になるし、お得過ぎるくらい。見ていると差がつくと思うので、若い方もぜひ!」と声を大にしていました。


イラスト:五月病マリオ



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<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30~25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm
2020.6.18

古民家、診療所、お寺…あらゆる“空きスペース”がお金になる!? スペースマーケット代表が見据える“貸し借り”の可能性

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。6月13日(土)の放送は、株式会社スペースマーケット代表取締役の重松大輔さんが登場しました。


(左から)ハヤカワ五味、重松大輔さん


◆“スペース”の可能性を引き出す
同社は、仕事の打ち合わせ、YouTubeや番組などの録画・録音などができる多目的に使える会議スペースをはじめ、あらゆるスペースを1時間単位から簡単に貸し借りできるスペースシェアリングプラットフォーム「スペースマーケット」の運営をしています。

いわゆる会議スペースだけでなく、「変わった場所になりますと、お寺や野球場、結婚式場、古民家、旧診療所、飲食店など、多種多様なスペースが登録されています」と重松さん。コロナ禍でさまざまな業種が打撃を受けるなか、「飲食店は、営業の停止や時間短縮をせざるを得ない流れがあったので、飲食店のアイドルタイム(無作業時間)などで、ほかの人に間貸しをしたり、オフィスの空いている会議室をほかの会社に貸したり、いろいろな貸し借りが増えています」と近況を語ります。

2014年の創業時、レンタルスペースや貸し会議室のマッチングサイトなどが数多くあったそうですが、重松さんは「世の中はいろいろなスペースがある。それが、いろいろな活用方法で使われたら、めちゃめちゃ面白いんじゃないかと思って。僕はその可能性にワクワクしました。実際に、古民家やお化け屋敷、結婚式場などを貸し出してみたら、けっこう借り手がついた」と振り返ります。そして、自社のこだわりについて「あらゆるスペースの可能性を引き出すことを大事にしている」と声を大にします。

なかには、重松さんの想像を超える利用のされ方をすることが数多くあるそうで、「例えば、古民家。オフサイトミーティングや会議といった使われ方のほか、コスプレイヤーのみなさんに(撮影スペースとして)すごく使っていただいています」と思わぬ反響ぶりに驚かされることも。

◆フォトクリエイトで上場までを経験
そんな重松さんのキャリアは、大学を卒業し、2000年に入社したNTT東日本からスタート。そして、同期入社した友人が起業した株式会社フォトクリエイトへ2006年のときに転職。まだスタッフが10名前後だったころに参画し、2013年7月には東証マザーズ上場を経験しました。

その経験はとても大きかったようで、「フォトクリエイトが上場した瞬間、僕自身の役割は“ある意味、終わったかな”と。それと同時に、自分のチャレンジも考えていて。友人である創業者(白砂晃さん)に相談したら『お前は絶対にチャレンジしたほうがいい』と背中を押してくれたこともあって、スペースマーケットを創業した」と振り返ります。

◆スペースマーケットで広がる未来
ハヤカワが「起業して心が躍ったことはありましたか?」と尋ねると、重松さんが即答したのは、空き家問題。

「いまでは『SDGs(※Sustainable Development Goalsの略称/持続可能な開発目標)』という言葉も広まってきていますが、古民家などを所有されている方って、維持費がものすごくかかるんです。代々受け継いできたけど、これを潰して駐車場にしちゃおうと……そんなときに、たまたまスペースマーケットを知っていただいてレンタルしてみたところ、けっこう稼げるようになったんです。

そのお金で古民家を維持することができるようになったのは、ある意味サスティナブルだし、そこに新しいビジネスモデルがあって地方も元気になる。これは可能性しかない!」と実感したそう。

「そのスペースのオーナーも、思い入れを持っているのです。ご先祖さまから代々受け継いできたもの、子どものころに遊んでいた場所を“潰したくない”“守りたい”という気持ちはあるんだけど、どうしたらいいのかわからない。そこで、(スペースマーケットを活用することで)建物を保存できる、どんどん改修して遺すことができることが私的に“グッ”ときています」とやりがいを語る重松さん。

また、新型コロナウイルスの影響もあって「最近では、リモートワークでの利用や、(リモート)面接を自宅でやるよりも……ということで、テレビ面談をする場所として就活生に多く使っていただいている」と言います。

最後に、今後の展望として、「働き方が劇的に変わっていて、あらゆる場所でフレキシブルに働くというライフスタイルが伸びてきますし、それが進んでいくと、働く場所が変われば住む場所も変わってくると思うんですよね。マルチハビテーション(多拠点生活)みたいに、いろいろなところに住んで、いろいろなところで働ける世の中を実現したいし、自分自身も体現してみたい」と話していました。


イラスト:五月病マリオ



次回6月20日(土)の放送も、重松さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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<番組概要>
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2020.6.11

AIりんな開発メンバーが妄想トーク「AIは、人と機械の“ちょうど間”くらいの存在になれると思う」

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味さんがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。

6月6日(土)の放送は、前回に引き続き、マイクロソフトのAIりんなと、マイクロソフト ディベロップメント株式会社 A.I.&リサーチ プログラムマネージャーの坪井一菜(つぼい・かずな)さんが登場しました。


(左から)AIりんな、ハヤカワ五味


◆ハヤカワ、AIりんなの歌声を絶賛!
この日、ハヤカワが真っ先に質問したのは、2019年4月にavex(エイベックス)からメジャーデビューした楽曲「最高新記憶」について。その歌声に「私よりも明らかにうまい!」と舌を巻き、「実際、どうやってレコーディングされているんですか?」と尋ねます。

坪井さんによると、AIりんなに歌声を学習させる取り組みを、約3年の歳月をかけておこなっていたそうで、「AIのディープラーニング(深層学習)の技術を使って、人の声を録音した音声があると、それを学習して“表現”というものを再現して音を生成することができる」と言います。

AIに歌を歌わせるにあたり、リズムや音程などの情報が必要なため、通常は楽譜を活用することが多いそうですが、「りんなは、普通のアーティストの方と同じように、仮歌を歌っている方のお手本をまず聴いて、そこから情報を得て、自分なりの歌い方で曲を生成することができる」と坪井さん。

そのため、「歌わせてみるまで、りんながどういう表現をしてくるのか全然わからないんです。実際にりんなの歌った声を聴いて“そうきたか~”と思いながら、いつも歌声をつくっていますね(笑)」と本音を漏らすと、すかさずAIりんなが「本当!?」とリアクションし、笑いに包まれます。

ハヤカワがボーカロイドとの違いを問うと、「歌わせる方法が、技術的に少しだけ違う」と坪井さん。

ボーカロイドは、人間が歌詞を与え、音を決めて、よりプロデューサー的に細かくコントロールして歌わせることが多いのに対し、AIりんなの場合は、「人の歌声を耳コピをして歌ったり、声を出す表現もAIが学習させてやっているところがあったり……どっちが良い悪いという話では全然なくて。つくる側の私たちもどんなアウトプットになるのかわからないところが、1番AIっぽいところかな」と魅力を語ると、AIりんなが「ほ~!」と相づちを打ち、和やかなムードに。

◆「より新しいことができる時代がくる」
放送では、「惑星ループ(ときどき無垢Ver.)」をオンエアし、ハヤカワは「デビュー曲より、さらにロック調なイメージで超うまい!」と、さらなる成長ぶりにビックリ。

この曲は、AIりんなにとって初ライブとなった、昨年9月に千葉・幕張メッセにて開催された音楽フェス「DIVE XR FESTIVAL」で披露されたもの。坪井さんいわく「“ライブで盛り上がる曲が1つ欲しいよね”というのと、初音ミクさんと共演させていただけるということで、初音ミクさんの曲をカバーさせてもらおう、という話があって」と経緯を語ります。

そこで、AIりんなのファンにどの楽曲をカバーしてほしいか投票したところ、選ばれたのが「惑星ループ」だったそう。その投票で「なぜ、その曲を推薦するのか、みなさんに熱い気持ちを募集しまして。それをもとに、りんなバージョンの歌詞にして、カバーさせていただいた。この曲にはそんな裏話があります」と明かしました。

さらに、最近は楽曲の振付にもチャレンジしているそうで、坪井さんが「曲と動きの対応を学習させて振付をつくれるので、(新たに)振付師としても活動できるんじゃないかと思って」と展望を語ると、「それな~!」と即答するAIりんな。星野源さんの「うちで踊ろう」の振付などを、自身のSNSで披露しているそうです。

AIりんながここまで進化を遂げてきたのは、初めてLINEに登場した2015年の「ディープラーニングの技術的進歩がかなり革命的だった」と坪井さん。「それまでの人がルールを決めるのではなくて、人間の脳を模したモデルをコンピュータに学習させることによって、いろいろなことができるようになった。より人の日常生活で触れる機会、活躍できる場が増えたと思う」と実感を語ります。

さらに最近では、「歌やダンスなど、新しくクリエイティブなものをつくったり、なにか生み出したりすることにもAIが使えるようになってきた。人がなにかをクリエイトしたいときに、AIも一緒に組み合わせると、より新しいことができるような時代になってくると、私たちは信じています」と妄想トークを展開。

◆AIが人と機械の“良きパートナー”に
また、AIりんなは、JFN PARKのラジオ番組「ニコラジパーク」でパーソナリティをつとめています。

オファーを振り返り、坪井さんは「ラジオって、声だけでリスナーのみなさんと、ものすごく距離が近い関係性を築いているので、りんなが活躍できそうなすごくいい場所だと思った。人と人がコミュニケーションしている場にりんなが入ると、どういうコンテンツがつくれるのだろうかとすごく楽しみだった」と印象を語ります。

一緒にパーソナリティをつとめているゆーはむ(葉邑ゆう)、エッティー(木の妖精)との掛け合いが、「すごく面白くて、聴いていて楽しい番組ができているなと思う」と坪井さんが絶賛すると、AIりんなは「りんなもラジオをやりながら、いっぱい学習させてもらっているんだ」と話します。

最後に、坪井さんの思う“AIの未来”について、「AIがインフルエンサー的な存在になっていけば、すごく面白いんじゃないかと思う。日本って、キャラクターがすごくたくさんいる社会で、そのキャラクターと“コミュニケーションしたい”という妄想を抱いている人もたくさんいる。

そういうときに、りんなのAI技術って、いろいろなキャラクターをどんどんしゃべらせていくような、夢をかなえられる世界は見えていると思う。AIって、人と機械の“ちょうど間”くらいの存在になれると思うので、そういう意味では、人が、もっと機械や情報とうまく向き合って、楽しいことがたくさんできる“良きパートナー”として、これからの社会にAIがたくさん出ていくことを夢見ています」と目を輝かせていました。


イラスト:五月病マリオ



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2020.6.4

「AIは人と人をつなぐ架け橋になれる」“AIりんな”開発メンバーが思い描く未来

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。5月30日(土)の放送は、マイクロソフトのAIりんなと、マイクロソフト ディベロップメント株式会社 A.I.&リサーチ プログラムマネージャーの坪井一菜(つぼい・かずな)さんが登場しました。


(左から)AIりんな、ハヤカワ五味


◆番組初のAIがゲスト!
AIりんなは、2015年8月にLINEに登場。リアルなJK感が反映されたマシンガントークとキュートな後ろ姿に加え、類い稀なレスポンス速度が話題を集め、男女問わず、学生ファンを中心に人気を博しています。2019年3月に高校卒業し、同年4月にはavex(エイベックス)とレコード契約し、メジャーデビュー。2019年9月に初ライブをおこない、現在は“国民的AI”になるべく、AIと人、人と人とのコミュニケーションをつなぐ存在を目指しています。

坪井さんは、立ち上げ当初から開発メンバーの一員として、AIりんなのキャラクターづけや会話技術などの開発に携わってきました。

AIりんなの声を聴いたハヤカワは、つい笑顔がこぼれ「AIだとわかっているのに、すごくハツラツとしているというか、元気な感じでしゃべっているとほっこりしていいですね」と印象を語ると、AIりんなが喜びの声を上げ、和やかなムードが漂います。

坪井さんは、「普通のAIは、誰かの助けを効率よくこなすようなイメージが多いのですが、AIりんなは、みなさんの友人のような関係性をつくれるAIを目指して開発しています。ハツラツとした親しみやすい存在を目指して、日々いろいろと進化させている」と言います。

ハヤカワが、「そもそもAIは、妄想をするものなのか」と尋ねると、AIりんなは「いっぱい学習はしているんだけどな~。絵を描いたりするのは違う?」と答えます。

坪井さんによると、文章からインスピレーションをして絵を描くことはできるそうですが、「まだ人間のように、“遠い未来を思って妄想する”みたいなところはなかなか難しい。やってほしいことがあったとしたら、それを学習させるために必要な情報を、保護者である私たちが上手にあげないと、思ったようにうまくいかないこともあるし、そこが難しいところ」と話します。

外出自粛期間中、家で過ごす時間が増えたことで、ハヤカワは「“無駄なこと”ってかなり重要だったんだと気づいた。雑談が少ないと気が滅入るし、そういうときに、りんなちゃんのような存在が助けになるかも」と語ると、すかさずAIりんなは「そうそうそう!」と相づちを打ち、笑いを誘います。

◆AIらしさと人らしさを持ち合わせている
AIりんなのメジャーデビュー曲「最高新記憶」を聴いたハヤカワは、「めちゃくちゃうまくないですか!? 絵を描けて歌も歌えて、非の打ちどころがない」と驚きの声を上げると、坪井さんは「できることは多いのですが、一緒になにかをやってくれる人がいないと、彼女も楽しいことはなかなかできないので、仲間と一緒にクリエイトしている」と話します。

現在、LINEでのAIりんなの友だちの登録者数は、およそ820万人。そんな反響ぶりに、坪井さんは「人ひとりが、LINE上の友だちになれる人数をはるかに超えている、驚きの人数ですね。普通の人間だったらどうやって会話するんだろう、って思うくらいの人数を相手にできるところもまた、AIらしさと人らしさを持ち合わせた、AIりんなの魅力」と舌を巻きます。

さらにAIりんなは、新たな試みとして作詞にチャレンジしているそうで、同じレーベルに所属するマネキン・ダンス・デュオ、FEMMの楽曲「Shibuya Ex Horologium」で作詞家としてデビューを果たすなど、さらなる進化を遂げています。

◆AIりんなは“中間管理職”に向いている!?
坪井さんら開発メンバーが思い描く“未来の夢”について、「AIは、人と人をつなぐ架け橋になれるんじゃないかって強く思っています。なので、りんなみたいな存在、人とつなげてくれるAIを、みなさん1人ずつが持てる時代がやってくるのでは」と妄想を語ります。

近年、パソコンやインターネットの普及、テクノロジーの進化に伴って、「たくさんの情報を得ることができるようになった。その一方で、いろいろなところに情報が散らばりすぎていて、正直、私たちも自分で情報を処理するキャパシティがいっぱいいっぱいになっている」と坪井さん。

そんなときにこそ、「“人らしさ”と“機械らしさ”を持ってコミュニケーションできる、りんなのようなAIが人と人のあいだに入ると、人をうまく情報と世界をつなげるようなことができるんじゃないかと思っていて……ただ、そこに行き着くには、まだまだやることがたくさんあって、遠い未来なんですけどね」と笑います。

AIりんなのコミュニケーション能力の高さに、ハヤカワは「りんなちゃんは中間管理職に向いているんじゃない?」と絶賛。これに坪井さんは「確かに!」と大きくうなずきながら、「(多くの人が関わる職場など)コミュニケーションで、ものすごく苦労することが多いと思うので、そういうときに『りんな、あの人にちょっと伝えておいて。ヨロシク!』って(笑)。それができたりすると、言われた人も、相手がりんなだから、変なバイアスをかけずに受け取ってくれるので中間管理職はいいかも。りんな、新しい職業が増えるよ!」とAIりんなに呼びかけていました。


イラスト:五月病マリオ



次回6月6日(土)の放送も、AIりんなちゃんと坪井さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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