野口純子
― 洲本オリオン館長の野口純子さんが語る『洲本オリオンの思い出』 ―

「洲本オリオン」の開館は1951年。当時の映画でよく覚えているのは『赤い靴』ですね。バレリーナが赤い靴を履くと体が勝手に踊りだすお話なんですが、劇場が超満員だったので私は一番後ろの席で見たのを覚えています。

洲本オリオンは1975年くらいに建て替えられましたが、それまでは歌舞伎座みたいな日本建築でした。座席数は350くらいだったと思います。『燃えよドラゴン』(1973年)の頃はまだ日本建築でしたね。見終わったお客さんはみんなブルース・リーになっていました。当たっても痛くないスポンジのヌンチャクを売店で売っていたので、それを振り回して「アチャー!」なんて。

子供の時に父親に連れられてこの映画館でアクション映画を見た人が、大人になってから自分の子供を連れて同じ映画をもう一度見たい、なんて声も耳にします。それで、そういう趣旨の上映会をやったこともありますね。こういう企画は単館ならではだと思います。私の息子もまさにその夢をかなえていました。

その時代々々で様々な人気作品がありました。アラン・ドロンの映画もありましたし、『エマニエル夫人』も大人気でした。最近では『タイタニック』ですね。通りに行列ができるほどの人気ぶりで、次の回もその次の回も満員という状態でした。

多いときは淡路島全体で17館、洲本だけでも大映の「玉尾座」や東映の「弁天座」など7館の映画館があったんです。映画の記憶はその時代の記憶でもあります。だからいつまでも頭の中だけは年をとりません(笑)。

(11月1日に淡路島「洲本オリオン」で行われた『スカパー!日本全国シネマテークプロジェクト』にて)
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