製作:1952年(フランス)
監督:ルネ・クレマン
出演:ブリジット・フォッセー/ジョルジュ・プージュリー/ほか

フランスの名匠ルネ・クレマンによるモノクロ映画の名作。戦争孤児になった少女と農家の少年の「お墓遊び」を美しくも悲しく描く反戦映画。ヴェネツィア国際映画祭の最高賞やアカデミー外国語映画賞を受賞。ギタリストのナルシソ・イエペスが奏でる切ないテーマ曲「愛のロマンス」はあまりに有名。


園子温
― 映画監督の園子温さんが語る『禁じられた遊び』 ―

この映画は小学生の時にテレビで見ました。当時はほぼ毎日、地上波で夜9時から映画番組があって、ゴダールやトリュフォーすらも放送していたんです。家族で『ウルトラマン』を見た後にゴダールを見るなんて、今ではちょっと信じられないですよね(笑)。

この『禁じられた遊び』は撮影日数が伸びたせいで、最後に予算が尽きてしまったという逸話があります。でもまだ音楽を付けなくちゃいけなくて、ルネ・クレマンは途方に暮れていました。そしてあるカフェで隣に座った人が若者がギターをやっていると聞いて、ギター1本ならお金がかからないだろうと依頼したのが、あのナルシソ・イエペスによる有名なテーマ曲だったんです。

舞台はパリがドイツ軍によって占領された1940年のフランス。郊外へ避難する途中で両親を亡くした少女が、農家の少年と出会います。でも幼い2人はまだ「死」がよく理解できないまま、犬やネズミのお墓を遊び感覚で作りだすんです。やがてその遊びが大人たちにばれてしまい、少女は孤児院へと送られることに……というお話です。

印象的なのは両親が空襲で死ぬシーン。日本の映画だと子どもが泣きながら「おかーちゃーん!」なんて叫びそうなものですが、この映画では不思議そうに両親の遺体を眺める少女を静かにゆっくりと映し出しています。それは突然の不幸に対する人間のリアクションとしては非常にリアルで、一見、反戦映画のように見えてそう単純ではない、普遍的な物語だと僕は思います。

(※5/5(月)、TOKYO FM ホリデースペシャルにて放送)
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