石丸:このサロンでは、人生で大切にしている“もの”、“こと”についてお伺いしていますが、今週はどんなお話を聞かせていただけますか?
山田:今日は、「時間」についてです。
石丸:山田さんは非常に忙しく、時間に追われているように見受けられますが、時間のコントロールはどうしていますか?
山田:正直、あまりうまくできていません(笑)。
やりたいことが本当にいっぱい出てくるんですよね。自分でふと思いつくこともあるんですけど、人との出会いによって「この人とこういうことが出来るかも」とか、「この人とこういうことやったら逆に面白いかも」と思うこともあって。
例えば、俳優仲間といるときに、この人たちと一緒に音楽をやったらどうだろうと考えてしまうんです。
いつもやっていることと違うことをやったらどうなるだろうと考えたりすると、どんどんやりたいことが出てきて。それをここ数年どんどんやっているので時間に追われています。
でも、人と会うことは楽しいし、そこでまた新たなアイデアが浮かんだりするので、つい人に会いに行ってしまうんですね。
でも、やりたいと思ったことを全部やるからには、ある程度完結させてからでないと、人を待たせて迷惑をかけてしまうと気付いたんです。なので、最近は我慢をするということをやっと覚えました。
石丸:それほど多くの人と出会い、いろんなこと思いついているっていうことですよね。
山田:そうですね。休みの日に飲みに行こうと思っても、友達に連絡をしないんですよ。
近所のバーだったり、居酒屋だったり、地方に泊まり込みで撮影に行っているときも、ふらっと一人でお店に入るんです。
そこで出会うお店の大将や、バーのマスターや常連さんに話を聞くと、知らない話が聞けたりして。みなさん年齢も性別も違うし、職業もほぼ違います。
この職業の人はそういうことで悩んだりするんだと、俳優として役に立つこともありますし、中には、この人と何か面白いことができるかもなって思って、仕事にしてみたことも過去にありました。
石丸:人に興味があるんですね。
山田:そうですね。話をしたり、聞いたりしたいんです。
でも、一人の時間を全部出会いに使っていたので、リラックスしたり、自問自答する時間も必要だと思って、このままではちょっと良くないなと思いました。
石丸:一人の時間の貴重さも学んだ、と。例えば、どんな時?
山田:一人の時間で一番大切にしてるのは、シャワーを浴びているときですね。
色んなアイディアが湧くんです。長時間の移動も同様で、例えば新幹線に乗ってボーッと窓の外を見ていると、パッと、考えが閃く。
本当にたくさんアイディアが浮かぶので、新幹線の回数券を買おうか本気で迷いました。