石丸:4週にわたって、人生で大切にしている“もの”、“こと”についてお伺いしてきましたが、 最終週は“時を重ねながら、長く大切にしていきたいこと”についてお聞きします。
それは、何でしょうか?
松尾:要所要所で自分へのご褒美に、グランドハイアットのサウナに入ることです。
石丸:サウナはいま流行っていますけど、グランドハイアットのサウナとは?
松尾:他のサウナにはない、清潔感があるんですよね。水風呂が広くて、17度という僕の大好きな温度なので、そこも嬉しいです。
石丸:温度にもこだわりがあるんですね!他には何かありますか?
松尾:男性の方はドライサウナしかないんですけど、スーパー銭湯などに比べるとタオルやバスローブが使い放題なんです。
石丸:それは贅沢ですね。
松尾:銭湯などでは貸しタオル一枚でなんとか凌がないといけない時があるじゃないですか。それはそれでいいんですけど、何度でもバスタオルを使っていいんです。
あと、レモンが入ってる水やジュース、ナッツまで置いてあって、ラグジュアリー感が尋常じゃないんですよ。そんなサウナに入った後に、近くのジャズバーに行ってお酒を飲む。
それが僕のご褒美になります。
石丸:それは楽しみなご褒美ですね。
さて、松尾さんはこの度、渋谷にあるBunkamura シアターコクーンの芸術監督にご就任されますね。改めておめでとうございます!
シアターコクーンは何度も立ったことのある舞台だと思いますが、芸術監督を就任することにあたり、何を思いましたか?
松尾:初代が串田和美さんで、2代目が蜷川幸雄さん。
存在が大きすぎる方たちですし、僕はどちらかというとお笑い方面の人間なので、アーティスティックな人たちの後で務まるのかな、とすごく悩みました。
石丸:タイプが違うからこそ、素敵だなと思いますが。
松尾:そうですね、、、自分がもしやるとしたら何ができるかということを、頭の中でまとめてから返事をしました。
石丸:今、どのようなビジョンが広がっていますか?
松尾:演劇界にもっと若い才能が集まるような劇場にしたいなと。
演劇って魅力のあるジャンルなんだなということを、もっと才能のある人達に知って欲しいと思っているんです。
魅力があるところに才能って集まるじゃないですか。
なので、ミュージカルの人でも新劇の人でも劇場を楽しんでくれる人を舞台に上げたいです。
そして、Bunkamura シアターコクーンは、若者の集まる109や、ラブホ街や、マダムがいる松濤というすごくカオスな場所にランドマーク的に建っているので、そのカオスを取り込んだようなことをそのまま表現する、そんな劇場になったら面白いな、と思います。