石丸:3週にわたって、人生で大切にしている“もの”、“こと”についてお伺いしてきましたが、 最終週は“時を重ねながら、長く大切にしていきたいこと”についてお聞きします。
それは、何でしょうか?
秦:「車を運転する時間」です。
石丸:秦さんにとって車というのはどういう存在ですか?
秦:自分で運転して仕事も全部行きますし、車内という空間が好きなんですよね。
車自体は詳しくないんですけど、車を運転して景色が流れていくこととか、音楽聴いたり、ラジオを聴いたり、自分一人の時間というのが好きです。
石丸:ある意味、個室のような感じですよね。
秦:そうですね。でも、景色もあるし、閉ざされてれているわけでもないその空間が好きですね。
音楽を聴きながら街を眺めることも好きなので、曲を書いているときとかは製作途中の曲を繰り返しかけながら色んなアイディアを練ったりします。
石丸:よくお聴きになるのはご自分の曲ですか?
秦:いえ、他の方の曲を聴くことの方が多いです。最近は洋楽が多いですけど、自分がカッコいいなと思うものを聴いています。
石丸:その基準はどこにあるんでしょう?
秦:多分、歌声ですね。歌が始まった瞬間にその曲が好きかどうか決めてしまうところがあります。
女性も男性も問わずですけど、自分の好きな歌声というのがあって、そういう音楽を好んで聴きます。琴線に触れるかどうかというのが全ての基準ですね。
石丸:具体的に、こういう感じの声というのはありますか?
秦:色んな表情がある声が好きですね。ハスキーだったり、クリアな声だったり。その方の持っている表情がたくさんあればあるほど引き込まれます。
元々、高校生くらいのときはリサ・ローブとかの透明感のある声が好きでした。
石丸:プライベートで車に乗って出かけたりすることもありますか?
秦:はい。それも好きです。
最近は街乗りが多いですけど、それこそアルバム『コペルニクス』を作っているときのレコーディングスタジオが横浜にあるので、その際によく運転しました。
都心に向かって行くところも好きなんですけど、都心から離れて海の方に向かって、そこで歌を歌う、レコーディングするということが気持ち良くて。
音楽をやる上で気分ってすごく大切だと思うんですね。
石丸:モチベーションが上がっていくんですね。
秦:そうですね。晴れた空を見ながらだったり、音楽を聴きながら歌を歌いに横浜に向かうというのがある意味、気分転換にもなっています。