石丸:3週にわたって、人生で大切にしている“もの”、“こと”についてお伺いしてきましたが、 最終週は“時を重ねながら、長く大切にしていきたいこと”についてお聞きします。
それは、何でしょうか?
笠原:「仕事終わりのサウナ」です。
石丸:仕事終わりと言いますと、お仕事が終わるのは何時ぐらいですか?
笠原:夜の11時とか12時とかですね。お風呂が大好きなので、仕事が終わったらひとっ風呂浴びたいんです。さらにそこにサウナですね。
サウナに小一時間ほど入っていい汗をかいています。最近は「整える」っていう言葉が流行ってサウナブームっぽくなっていますけど、僕は筋金入りサウナーなので。
石丸:サウナーとして流儀などはありますか?
笠原:サウナはあまり大勢で行くものじゃないと思っているので一人でサウナに行きます。それと、サウナの中で喋るやつはダメだと思います。みんなリラックスしに来ていますし、横の方にも失礼ですから。
石丸:サウナの中では何を考えてますか?
笠原:だいたいメニューを考えてますね。来月のお店のメニューとか、雑誌の連載のメニューとか、ほぼサウナで考えます。
石丸:一人の時間ですものね。
笠原:そうなんです。そこが大事なんですよ。
石丸:考えすぎてのぼせることないですか?
笠原:たまにありますね(笑)。
石丸:でも、サウナに1時間も入れるのはすごいですね。
笠原:出たり入ったりしながらですけどね。水風呂に入ってサウナに入っての繰り返しでゆったり1時間ぐらいは汗をかいています。
サウナのおかげかどうかわからないですけれども、15年間全く風邪もひかないですし、大きい病気もしていないです。
病気とかで仕事に穴を開けたことはないというのは自慢ですね。これもサウナのおかげだと思っています。
石丸:料理人の方って立ちっぱなしじゃないですか。そういった意味ではサウナは血行も良くなりますしね。
笠原:おかげさまでこの歳にしては肌つやもいいんじゃないかと言われますから、全部サウナのおかげだと思ってます。
やっぱり料理屋は健康第一なので体調維持、ビジュアル維持というのは絶対に必要だと思います。不健康そうな板前さんがカウンターに立っていたら嫌じゃないですか。
“この板前さん、今日もツヤツヤしているな!”っていう方が料理も美味しそうに見えるかなと思っているので、サウナの時間は大事にしてますね。