TOKYO FM
GRAND SEIKO

Articles― 最新のTHE NATURE OF TIME ―

04 Apr.2020
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Vol.53要潤さん(俳優)

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石丸:このサロンでは、人生で大切にしている“もの”、“こと”についてお伺いしていますが、今週はどんなお話を聞かせていただけますか?

:今日は「陸上部で使っていたスパイク」についてです。


石丸:学生時代ですね? どんな陸上競技をされていたのですか?

:400mと400mハードルをしていました。

石丸:どうして、その種目を選ばれたんですか?

:最初に短距離をやっていたのですが、僕は身長が高いので、短距離をやるには身長が大き過ぎる。中長距離の800mや1500mをやるにはまた大き過ぎて遅い(笑)ということで、当時の顧問の先生が400mを薦めてくれて始めました。
400mは競技人口が少ないんです。なので競技に出て良い成績を残していければ、大きな大会にも出れるんじゃないかと思って。

石丸:いつ始めたんですか?

:始めたのは高校に入ってからですね。

石丸:では、高校の3年間はびっちり走りたおしたんですね(笑)。

:びっちり走りたおしましたね(笑)。

石丸:その時に履いていたのが、そのスパイクなんですね。

:実家から持ってきて、一人暮らししてからも、ずっと今まで持っているんです。

石丸:それはどうしてですか?

:あの頃は純粋に“早く走りたい!”という想いだけで練習していたので、(スパイクを見ると)初心に帰れる瞬間があるんです。俳優になっても、そういう気持ちって大切なんじゃないかなと思って。つまずいた時や挫けそうになった時には、下駄箱に入ったスパイクをチラッと見て「こんな気持ちじゃ駄目だ!もっと頑張らなくては!」と…自分を奮い立たせる為のアイテムです。

石丸:自分を奮い立たせる為のアイテムであるこのスパイク。これを履いていた時は、どんな人生だったんですか?

:毎日毎日練習していて、“1秒でも速く0.1秒でも速く”と、ひたすら走っていました。高校1年生から始めて2年生、3年生になって段々と成果が上がってきて、県大会でも表彰台に上がれる成績を残すようになってきたんです。そんな頃に、大きな大会に出る勝負スパイクとして履くようになったのが、このスパイクなんです。

石丸:いくつかスパイクがあって、その中で勝負スパイクというのが決めてあったんですね。

:自分のお気に入りのものがあって、決めてありました。

石丸:香川県のご出身ですから、それを四国大会でも履いたのですか?

:履きました。履いたんですけど、四国大会では残念な結果に終わりました。

石丸:それはどういう結果だったんですか?

:四国大会の400mハードル決勝戦まで行けたんですが…。

石丸:凄いことですよね。

:そうですね。でも当時はインターハイに目標を置いていましたので、言い方は良くないですが、四国大会は僕にとっては通過点でしかなくて、そこに合わせた練習をあまりしていなかったんです。四国大会の1ヶ月後にあるインターハイに向けた調整をしていて。それが心の油断、心の隙間だったんですけど、でもその時は調子が良かったんです。

石丸:調子は良かったんですね。

:四国大会の決勝戦で、その時は、なぜかはわからないですけど調子が良くて“楽勝、楽勝!”と思いながらスタートを切りました。
「よーい、スタート!」で走って、第3コーナーを曲がって最後のストレートに差し掛かるところで、外側から2年生がビュンと抜けてきて。“おっ!”と思って、第3コーナーを抜けたら後はホームストレートしかないから、“抜かれたらまずい!”と思ってスピードを上げたんです。ハードルとハードルの間隔の歩数って決まっているんですけど…。

石丸:何歩なんですか?

:13歩から15歩です。僕は疲れてくると第3コーナーに差し掛かってくるところで15歩に切り替えて(次のハードルを)飛ぶんです。
それで、(四国大会の決勝のレースの終盤で)15歩に切り替えようとしたタイミングで2年生の選手が来たので、焦ってグッとスピードを上げて、13、14、15歩で踏み切ろうと思ったら、目の前にハードルがあって。

石丸:そうか、スピードが上がっているから!

:とてもハードルを飛べるような状況ではなくて。天高くハードルを蹴り上げてしまって、自分も身体がどこに行ったのかわからないくらいに、派手に転んでしまいました。
気がついたらみんなゴールしていて、喜んでジャンプしている人や抱き合っている人が見えて。それが四国大会の決勝でした。

石丸:そうだったんですね。

:常にそうなんですけど、詰めが甘くて“ああ、やっちゃったなぁ”って。

石丸:その時に履いていたスパイク、つまりその時の自分を思い出すスパイク、というわけですか?

:はい。

石丸:このスパイクは、これからもずっと持ち続けていきますか?

:持ち続けていきます!

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